男女差のない研究環境で、将来に向けた実際的な経験を積む
AIを有効に活用して、数時間を数分に短縮
病気の有無や種類を診断する病理診断では、特定の組織や患部を目立たせるため、患者から採取した検体を染色します。ただ、ある染色を行った検体に対して、別の染色はできません。そこで、染色された検体の画像を別の染色に変換する技術が利用されていますが、従来の方法では、時間もコストも人手もかかってしまいます。
私は、病理診断をより正確にしたり、コストを最小限にしたりするため、AI、とくにディープラーニングを用いた画像解析技術の研究をしています。私の提案手法を用いると、これまで数時間かかっていた処理をほんの数分で終えることができます。いまはエンターテインメントの分野で使われることの多いAIですが、その可能性を人類の健康を向上させるために使うことを目指しています。
専門分野外へのチャレンジは自分の幅を広げるチャンス
WISE-SSSにはさまざまなコースがあります。量子コンピュータ論など、そのいくつかは自分の専門分野ではないため不安もありましたが、専門分野外にチャレンジすることは、自分の知識を増やすことができる非常によい経験でした。
WISE-SSSは男性の多い環境ですが、ここでは男性も女性もまったく同じ扱いを受けています。また、何に対しても周りの方が温かくサポートしてくれるので、差別を感じることもありません。
将来は、日本に残って研究を続けたいと考えています。企業に就職するかアカデミアに残るかはわかりませんが、そのためにもWISE-SSSに所属している間に実際的な経験をたくさん積みたいと思っています。
プロフィール
BISWAS Tanwi
1995年生まれ、バングラデシュ・クルナ県出身。KUET(Khulna University of Engineering & Technology)を卒業後、インターネット関連企業に勤務。2018年に来日。2020年東京工業大学工学院情報通信系修士課程修了。現在、工学院情報通信系ライフエンジニアリングコース博士後期課程3年生。