超スマート社会卓越教育課程の概要と目的

近代以降の社会革命(熱力学+熱機関=産業革命、情報科学+計算機=情報革命など)では、先端の科学(物理学・情報科学など)と革新的な工学(機械・電気電子工学など)によって、我々の社会に変革が起こりました。来たる第5の社会的革命とも言われる超スマート社会の実現には、産業革命以降の機械・電気・建設などのフィジカル空間の技術と情報革命以降のサイバー空間の技術の統合に留まらず、量子科学や人工知能などの最先端の科学技術の融合が必須です。量子科学は、物質やエネルギーの最小単位「量子」を支配する量子力学に基づく学問であり、超並列計算を実現する量子コンピュータによって人工知能(深層学習など)の能力が飛躍的に向上し、量子暗号通信によって安全なネットワーク技術をもたらし、究極の感度を有する量子センサによるIoTで高度な自動運転などを可能にすると期待されています。本教育課程は、修士・博士後期課程を一貫した学位プログラムにより、量子科学に基づく超スマート社会の実現に向けて、産官学の各セクターを牽引できるリーダーシップ力のある知のプロフェッショナルを育成することを目的としています。

この目的を達成するために、学生が所属しているコースにおける専門課程の教育に加えて、量子科学に基づく超スマート社会の実現に必要となる以下の5つの能力を涵養します。


超スマート社会の実現に必要となる以下の5つの能力

  • 量子科学と人工知能の基幹的学力
  • サイバー空間・フィジカル空間にまたがる専門分野で独創的な科学技術を創出する力
  • 量子科学から超スマート社会までの道筋を俯瞰する力
  • 異分野が融合した社会課題の解決能力
  • 産官学の各セクターを牽引できるリーダーシップ力
超スマート社会の実現に必要となる以下の5つの能力

3つのポリシー

1. アドミッション・ポリシー

  • 理工系基礎学力を有し、それに基づいて論理的に思考し、表現できる
  • 豊かで幅広い知識を有し、様々な視点から多面的にものごとを捉えることができる
  • 国際的な視野から研究・技術開発を進めるために必要な語学力を有している​
  • 未知の世界に果敢に挑む意思とグローバルにリーダーシップを発揮し得る資質を有する
  • 広い科学技術分野や社会課題に興味をもち、異分野融合研究を進める意思を有する

2. カリキュラム・ポリシー

ディグリー・ポリシーで掲げた力を涵養するため,以下の教育を実施します。
  • 量子科学や人工知能などの基幹的学力やサイバー空間・フィジカル空間にまたがる専門学力を涵養する教育
  • 社会との連携を通して様々な事象の俯瞰力を涵養する教育
  • 異分野の知見を融合・結集して課題を解決する力を涵養する教育
  • 国際社会でリーダーシップを発揮できる力を涵養する教育

3. ディグリー・ポリシー

以下に掲げる力を身に付け、所定の単位を修得した学生を修了認定します。
  • 卓越した専門力に基づき、独創的で多角的な視点から社会課題を分析し解決できる力
  • 量子科学に基づく超スマート社会の実現に必要となる力
  • 様々な事象を俯瞰的に捉え、論理的な思考で分析し、新たな知見を発信できる力
  • 物事を俯瞰的かつ国際的な視野で理解し、具体的に行動し、リーダーシップを発揮できる力
  • 社会に対して論理的かつ状況に応じた説明ができる力

具体的には、下記の13の施策を実施

専門学力 × 独創力涵養

1)量子科学・人工知能基礎科目群
2)サイバー・フィジカル専門科目群
3)サイバー・フィジカルクロスメンター制度

社会連携俯瞰力涵養

4)超スマート社会創造科目群
5)サイバー・フィジカルオフキャンパスプロジェクト

異分野融合課題解決力涵養

6)異分野融合マッチングワークショップ
7)異分野融合研究企画集中演習
8)超スマート社会基盤技術研究プロジェクト
9)超スマート社会創造研究プロジェクト

グローバルリーダーシップ力涵養

10) グローバルリーダーシップ力涵養科目群
11)超スマート社会グローバルフォーラム
12)グローバルオフキャンパス研究プロジェクト
13)海外メンター制度

詳しくはカリキュラムをご覧下さい。