たまには自分のフィールドから脱線して、専門外の話にも耳を傾けよう

スキル向上のため博士後期課程に進学

 修士課程ではロボットの衝突を回避するための理論研究を進めていましたが、自分の研究してきた理論が何に活かせるのかという疑問に答えが出せず、将来やりたいことのビジョンが思い描けずにいました。それなら研究スキルや技術力を高めてから結論を出そうと、博士後期課程への進学を決めました。
 WISE-SSSにはいろいろな分野の先生方や企業が関わっているので、専門性を追求しながらも幅広い内容が学べるところに惹かれました。また、博士後期課程進学において不安要素だった経済面の支援が豊富だったことが、最終的に登録を決めるきっかけになりました。

異分野の研究から新しいアイデアが生まれる

 企業や研究機関などと意見交換ができるマッチングワークショップでは、専門外の方にも短時間で研究内容を理解してもらう必要があります。そのため、数式ベースで説明しがちな数理的な問題を視覚的にわかりやすくしたり、数式の意味を平易な言葉で説明するといったスキルが身につきました。異分野融合研究企画集中演習では、異分野の研究の考え方を組み合わせて新しい研究を考えるのですが、それが自分の研究の新しいアイデアを発想する訓練になったのではないかと思います。

 異分野の方と話をする機会を多く持てることは、WISE-SSSの大きな魅力です。自分の研究に没頭することは大事ですが、振り返って見ると、たまには自分の研究から脱線していろいろな人の話を聞くことも同じように大事なことだったと感じています。

プロフィール

岡田優也/おかだ・ゆうや
1996年生まれ、東京都出身。2020年工学院システム制御系卒業、2022年工学院システム制御系システム制御コース修士課程修了、2025年工学院システム制御系システム制御コース博士後期課程修了。博士(工学)。現在、東急建設株式会社に勤務。